瑕疵担保責任がある中古住宅のホームインスペクションは必要ない？
2022.11.11
瑕疵担保責任のある中古住宅において、ホームインスペクションは必要ないのでしょうか。
買主は、売買契約を結ぶ前にホームインスペクションを行うことをおすすめします。
瑕疵担保責任が過ぎた瑕疵は、大抵の場合は売主に対応してもらえません。
そのため、責任の所在を明らかにするためにもホームインスペクションを実施しましょう。 今回は、中古住宅のホームインスペクションについて詳しく解説します。
瑕疵担保責任とは？
そもそも瑕疵担保責任とは、売買契約や請負契約を行うとき、引き渡された物が契約の内容とは合っていない場合に、売主や請負人が買い主・注文者に対して負う責任のことを言います。
中古住宅の売買で考えると、売主から中古住宅を購入した後に物件に瑕疵が見つかった場合、補修は買主ではなく売主が責任を負うことになるのです。しかし、中古住宅を購入する前に売主から事前に瑕疵を伝えられているのならば、買主は売主に責任を問うことはできません。
もし瑕疵を知っているのだとしたら、あらかじめ売主に補修してもらえるように交渉しておいたほうがトラブルを避けられるでしょう。
気をつけるべきポイントは、瑕疵担保責任には定められた期間があることです。
物件の売主が不動産業者の場合、引き渡しから2年間です。本来は引き渡しから2年以上の期間が必要ですが、最低限の2年に設定するケースがほとんどです。
一方、売主が不動産業者以外である場合は、引き渡しから3ヶ月以内の期間に定められていることが多い傾向があります。 ただし、築20年以上が経過しているような古い物件は、瑕疵担保責任が免責となるケースもあるので、具体的な期間を知りたいときはきちんと売買契約書を確認してほうが良いでしょう。
瑕疵担保責任がある中古住宅のホームインスペクションは必要？
中古住宅を購入する場合は、ホームインスペクションを検討しましょう。
ホームインスペクションとは、住宅の状態をチェックすることです。ホームインスペクションを依頼すると、住宅診断士という専門家が住宅の不具合や注意点などを発見し、アドバイスをしてくれます。
中古住宅には雨漏りの恐れがあるケースが多く、購入前に気付けない人も少なくありません。さらに、購入後に断熱材の劣化や建物の傾きなどの瑕疵が発見され、買主と売主の間でトラブルに発展してしまうことも珍しくないです。
そうしたトラブルを避けるためにも、買主は売買契約を結ぶ前にホームインスペクションを行うことをおすすめします。中古住宅を購入する前に住宅検査を行えば「瑕疵担保責任が設定された期間を過ぎてから瑕疵が発見される」という失敗を防ぐことができるでしょう。
瑕疵担保責任が過ぎた瑕疵は、大抵の場合は売主に対応してもらえません。また、瑕疵担保責任が期限内だった場合でも、売主が瑕疵を認めないこともあります。
そのため、瑕疵担保責任は売主側にあるにもかかわらず、自分自身で補修しなければならないこともあるのです。雨漏りや給排水管の故障などであれば、売主側が責任を認めるかもしれません。 しかし、それ以外の瑕疵はすぐに認めてもらえず、売主との交渉がスムーズにいかない傾向があります。責任の所在を明らかにするためにもホームインスペクションを行い、売主とより良い関係を築くことがおすすめです。
中古住宅のホームインスペクションの大まかな流れ
ホームインスペクションを検討している人は、まず必要書類を準備してください。
建物配置図や立面図や断面図、建築確認申請書など、少しでも住宅に関する資料があればなるべく提出できるようにしておきましょう。
資料が多ければ、より正確な調査結果を出してもらうことが可能です。必要書類が準備できたら、いよいよ電話やメールなどでインスペクション会社に連絡しましょう。問い合わせができたら調査日時を申し込み、必要書類を送付します。
調査当日には依頼主も立ち会いながら、住宅診断士や住宅検査員が調査を行い、その日に調査結果を出してもらえます。専門家から調査報告書を受け取った後は、内容をしっかりと確認してください。内容に問題がなければ、調査料金を支払うことになります。
ホームインスペクションを依頼してから調査を行うまで、約1週間です。しかし、企業や調査内容によって流れは異なるので、ホームインスペクションを申請する前に大まかな流れは事前に聞いておきましょう。
まとめ
今回は、瑕疵担保責任がある中古住宅のホームインスペクションについて解説しました。 ホームインスペクションを実施して責任の所在を明らかにしておけば、売主と買主の間に誤解や意見の相違が発生しづらいため、良好な関係を保つために役立つでしょう。
